集客
作ったものをどこに出すか(集客チャネルの選び方)
公開しただけでは、作ったものは誰にも見つかりません。そこで出す場所を探すことになりますが、候補は10か所以上あって、それぞれ作法もリンクの張り方も違います。出せば人が来る、という場所はひとつもありません。個別のチャネルの手順に入る前に、選ぶための軸をここで先に決めます。
このページの結論
選ぶ軸は3つです。1つめは、投稿からサイトへのリンクを踏んでもらえるか。2つめは、後から検索で見つけてもらえる形か、出した瞬間で終わる形か。3つめは、そこで宣伝がどこまで許されているか。とくに1つめは見落とされやすく、フォロワー数や本人確認の条件を満たすまで、そもそもリンクを置けない場所があります。
チャネルを選ぶ3つの軸
出す場所を比べるとき、利用者の多さで選びたくなります。ですが人数が多くても、 その人たちが自分のサイトに来られる形になっていなければ、数は意味を持ちません。 順番に見ていく軸は3つです。
- 01 軸1 リンクを踏んでもらえるか 投稿からサイトへ行けるか
- 02 軸2 積み上がるか、流れるか 後から検索で見つかるか
- 03 軸3 宣伝が許される範囲 規約と、場ごとのルール
軸1で候補が絞られ、軸2で出し方の頻度が決まり、軸3で書き方が決まります。この順で見ないと、書き上げたのにリンクを置けない、ということが起きます。
軸1 リンクを踏んでもらえるか
見落とされやすいのがここです。動画や画像で人を集められても、 サイトへのリンクを置けなければ、見た人はそこで止まります。 投稿にURLをそのまま書ける場所と、リンクの置き場所に条件がある場所に分かれます。
| 投稿にそのままリンクを書ける | リンクを置ける場所が限られる | |
|---|---|---|
| 該当するチャネル | X、Reddit、Qiita・Zenn、Product Hunt | TikTok、Instagram、YouTube |
| 投稿の中のURL | そのまま書ける | TikTokとInstagramはタップできる形にならない。YouTubeは長編動画の概要欄なら踏めるが、Shortsの概要欄は踏めない |
| プロフィールのリンク | 置ける | TikTokは条件を満たすまで置けない。Instagramは5件まで、YouTubeはチャンネルページに14件まで置ける |
| 置けるようになるまでの条件 | アカウントを作れば置ける | フォロワー数、本人確認、プログラムへの参加のいずれかが関わる |
| サイトに来てもらうまでの手数 | 投稿を見た人が、その場でリンクを踏める | 投稿を見た人に、プロフィールへ回ってもらう手順が挟まる |
「リンクを置ける場所が限られる」側の3つは、条件の中身がそれぞれ違います。 ここを知らずに動画を作りはじめると、投稿は伸びたのに送り先がない状態になります。
- TikTok 公式サポートには、プロフィールにウェブサイトへのリンクを追加できるのは フォロワーが1,000人以上いる場合か、認証済みビジネスアカウントを持っている場合と書かれています。 始めたばかりの個人アカウントには、そもそもリンクの置き場所がありません。 動画の説明文に書いたURLも、タップできる形にはなりません。
- Instagram プロフィールにはウェブサイトを5つまで追加できると公式ヘルプに書かれています。 以前の「1つだけ」という制限はなくなっていて、フォロワー数の条件も書かれていません。 ただし通常の投稿のキャプションに書いたURLは、原則としてタップできるリンクになりません。 ストーリーズのリンクスタンプについては、かつて言われた1万フォロワーという条件が、現在の公式ヘルプには書かれていません。
- YouTube 長編動画の概要欄のリンクは踏めますが、これは「高度な機能」に分類されていて、 電話番号の確認に加えて、チャンネル履歴の蓄積か本人確認のどちらかが要ります。 動画の中のカードや終了画面から外部サイトへ送る場合は、これとは別に YouTubeパートナープログラム(YPP)への参加が条件です。 YPPは、過去12か月でチャンネル登録者1,000人と総再生時間4,000時間、 または登録者1,000人と過去90日のShortsの視聴回数1,000万回、といった条件が公式に示されています。 Shortsの概要欄のURLは踏めませんので、Shortsで伸ばす場合の送り先はチャンネルプロフィールのリンクになります。
軸2 積み上がるか、その場で流れるか
次に見るのは、出したものが後から効いてくるかどうかです。 平日に1時間しか取れない人ほど、ここの差が大きく出ます。
| 後から検索で見つけてもらう形 | 出した瞬間が中心の形 | |
|---|---|---|
| 該当するチャネル | Pinterest、Qiita・Zenn、YouTube | X、Product Hunt、TikTok |
| 人が来るきっかけ | 検索と、サービス側からのおすすめ表示 | タイムラインやランキングでの表示 |
| 効きはじめるまで | 出してから時間がかかる | 出した直後 |
| 手を止めたとき | 出したものは残り、後からも読まれる | 流れていって見えなくなる |
| 1回あたりの手間 | 1本に時間がかかる | 1回は軽いが、回数が要る |
これは副業の収入を フロー型とストック型 で分ける考え方と同じ形です。 働いた分がその都度返ってくるのが前者、作ったものが残って後から効くのが後者で、 その説明は副業としての個人開発に置いています。 Pinterestは投稿が 検索から後で見つけてもらう形 に寄っているので、 出した日に反応がないことを失敗と受け取らないほうがよい場所です。
「出した瞬間が中心の形」で気をつけるのがProduct Huntです。ここは出し直しに制限があります。 公式ヘルプによると、同じプロダクトや同じ会社の投稿には最低6か月の間隔が要り、 出し直すにはプロダクトの重要な更新が必要とされています。画面の見た目の変更や料金プランの変更は、 その更新にあたらないとされています。同じルートドメインの製品にも同じ扱いが適用されます。 加えて、ホームページは太平洋時間の午前0時に更新される24時間の周期で動いているので、 日本時間からは出す時刻を計算して合わせることになります。 つまり、準備が足りないまま出しても、半年待つまでやり直しが効きません。
軸3 宣伝がどこまで許されるか
最後の軸は、自分の作ったものの話をどこまで書いてよいかです。 ここは場所によって前提がまるで違い、同じ文章がある場所では歓迎され、別の場所では削除されます。
- 宣伝を前提とした場 Product Hunt
- 条件付きで書ける場 Qiita・Zenn
- 作法を外すと消される場 Reddit
- 宣伝が歓迎されない場 5ch・なんJ系の匿名掲示板
4つのうち、どれにあたるかを先に確かめてから文章を書くと、書き直しが減ります。
- 宣伝を前提とした場 — Product Hunt 自分のプロダクトを自分で投稿してよいかという質問に、公式ヘルプが肯定で答えています。 以前は有力な紹介者に見つけてもらう文化がありましたが、いまは自分で出すのが案内されたやり方です。 投稿・投票・コメントができるのは個人アカウントだけで、会社やブランドのアカウントではできません。 また、アカウントを作ってから投稿できるようになるまでに1週間の待機期間があります。
- 条件付きで書ける場 — Qiita・Zenn Qiitaは利用規約で、客観的に見て宣伝広告や販売を主な目的と判断される記事を投稿しないことを定めています。 一方でコミュニティガイドラインには、自社や自作のものについての技術的な解説を主な目的とした記事は宣伝や販売にあたらないと明記されています。 つまり、技術の解説が主目的でその中で自作サービスに触れるのは書けて、集客が主目的だと書けません。この線が読者に一番効きます。 Zennは2025年6月5日の規約改定で、広告や採用を主な目的とする記事が違反の対象として明記されました。
- 作法を外すと消される場 — Reddit Redditは、全体の共通ルールの上に各コミュニティが独自のルールを重ねられる作りで、その両方に従うことが公式に示されています。 投稿先ごとにルールが違うのは仕様なので、書き込む前にそのコミュニティのルールを読むこと以外に方法がありません。 「宣伝以外の投稿を9、宣伝を1の割合に」という目安は、Reddit公式ヘルプ内のReddiquetteに今も載っています。 ただしReddiquetteは冒頭で、利用者自身が書いた非公式な価値観の表明だと断られていて、正式なスパムポリシーには数値の基準が一切ありません。 公式サイトの中にあるが位置づけは目安であって、守れば削除されないという保証ではない、というのが正確なところです。
- 宣伝が歓迎されない場 — 5ch・なんJ系の匿名掲示板 投稿者に向けた包括的な利用規約にあたる文書が見当たらず、板ごとのローカルルールと慣習で動いています。 自作サイトの紹介を一律に禁じる全体規約は見当たりませんが、宣伝専用の板が別に用意されていて、 一般の板では宣伝が歓迎されない作りになっています。規約に書かれていることと場の慣行がずれている場所なので、 書き込む前に5ch・なんJ系の匿名掲示板を読んでおくところです。
やってはいけないことは、どこでも共通している
プラットフォームは違っても、公式に禁止されている行為には共通の型があります。 個別のページを読む前に、ここだけ押さえておけば大きな失敗は避けられます。 どれも、投稿の削除、表示の制限、アカウントの停止につながる行為として、各社が公式に示しているものです。
- 同じ内容を大量に投げる Redditはスパムを、繰り返しの行為や求められていない行為として定義しています。 Xも、大量に、重複して、無関係に、または求められていない形で投稿することを禁じていて、 1つのアカウントでも、運用する複数のアカウントにまたがっても、同じ内容や実質的に同じ内容を投稿しないよう定めています。 なお、何回までなら大丈夫という回数の基準は、どちらの規約にも書かれていません。数えて避ける形にはできないということです。
- 複数のアカウントで数を水増しする Redditは複数アカウントによる水増しを違反の例として挙げています。 Xは協調的な非真正活動を禁じ、実質的に同じ用途の複数アカウントを作ったり自動化したりすることを認めていません。 はてなブックマークも、メインとサブのアカウントで複数ブックマークすること、複数アカウントで共謀すること、 複数のメインアカウントを持つことをスパム行為として列挙しています。
- 投票やブックマークを人に頼む、報酬を出して頼む Product Huntのコミュニティガイドラインは、大量のメッセージ送信、upvoteの依頼、botの利用、投票への報酬付与など、 人為的に活動を増やす行為を認めていません。コメント欄での自己宣伝も削除の対象です。 はてなブックマークも、友人・知人・家族・所属組織のスタッフといった利害関係者への依頼、相互ブックマーク、 特典や報酬の提供、クラウドソーシングでの依頼をスパム行為として挙げています。
- 宣伝や検索対策が目的だと判断される行為 はてなブックマークは、広告・宣伝・検索サイト最適化を目的としたブックマークをスパム行為として列挙しています。 セルフブックマークそのものは禁止されていませんが、目的で線が引かれています。 Qiitaも、検索サイト最適化や アフィリエイト を目的とする投稿行為を禁止事項に挙げています。
- 宣伝であることを隠す TikTokは、ブランドコンテンツを投稿するときに商業コンテンツの開示を有効にすることを定めていて、 自分のサービスの宣伝は宣伝目的のコンテンツとして扱われます。この開示の義務化は2025年9月1日から完全に施行されています。 Instagramも、タイアップ投稿のラベルを使って提携相手をタグ付けするよう定めています。
違反したときに何が起きるかも公式に書かれています。Reddiquetteには、短期間に大量の投稿をすると その後の投稿がスパムフィルタに自動で止められることがあり、程度によっては shadow banning(自分には自分の投稿と投票が見えているのに、他の人には見えていない状態)が起こりうると書かれています。 はてなブックマークは表示制限の措置や利用停止の対象になり得ると明記しています。 加えて、Xの未認証アカウントには1日あたり50投稿・200リプライという上限が公式に示されていて、 そもそも回数を増やす方向には伸ばせません。
最初にどこから始めるか
平日に1時間しか取れないなら、最初に手を出すのは1か所です。 作ったものの形と、日本語圏に届けたいのか英語圏に届けたいのかで変わります。
最初の1か所をどう選ぶか
日本語で使うWebサービスやツールを作った人は
Qiita・Zennに、作る途中で調べた技術の解説として書く。公開までの過程はXに置いておく
海外の人にも使えるものを作った人は
Redditで、同じ困りごとを持つ人が集まっているコミュニティを探し、そこのルールを読んでから書く
見た目や画面そのものが価値になるものを作った人は
Pinterestに出して、検索から拾ってもらう形を試す
使い方を見せないと伝わらないものを作った人は
YouTubeの長編動画。概要欄のリンクには条件があるので、撮る前に条件を確かめておく
完成していて、公開の日を自分で決められる人は
Product Hunt。ただし出し直しは6か月後になるので、準備が整ってから
まだ何を作るか決まっていない人は
出す場所より先に、作るものを決める。何が作れるのかのページへ
チャネルごとの解説
それぞれの作法、アカウントの作り方、投稿の形は個別のページに分けています。 軸で候補を絞ってから、該当するページを読んでください。
- X(旧Twitter) 作っている途中から見てもらいたいとき。公開の日に合わせて告知したいとき
- Reddit 海外の人に使ってもらいたいとき。同じ困りごとを持つ人が集まっている場所を探せるとき
- Product Hunt 完成していて、公開の日を自分で決められるとき。英語の説明を用意できるとき
- Pinterest 見た目で伝わるものを作ったとき。時間をかけて検索から拾ってもらう形にしたいとき
- TikTok 動きで伝わるものを作ったとき。リンクの条件を承知したうえで名前を知ってもらいたいとき
- Instagram 画像で伝わるものを作ったとき。プロフィールに人を集める形にできるとき
- YouTube 使い方を見せないと伝わらないとき。後から検索で見つけてもらいたいとき
- Qiita・Zenn 日本の開発者に届けたいとき。作る途中で調べたことを技術の解説として書けるとき
- はてなブックマーク 日本語の記事を書いたとき。自分から依頼せずに広がるのを待てるとき
- 5ch・なんJ系の匿名掲示板 書き込む前に、規約に書かれていることと場の慣行のずれを知っておきたいとき
出した後は数える
どこに出すかを次に決めるためには、今回どこから人が来たかを知る必要があります。 それがないと、反応がなかったのが場所のせいなのか、出し方のせいなのか分かりません。 アクセスを計測する仕組み は、過去にさかのぼって数えることができないので、 出すより先に入れておくものです。導入の手順はPostHogのページにまとめています。
よくある質問
出せばすぐに人は来ますか
来ないことの方が多いです。とくに検索から見つけてもらう形のチャネル(Pinterest、Qiita・Zenn、YouTube)は、出してから効きはじめるまでに時間がかかります。出した日に反応がないことを失敗と受け取らずに、数えられる仕組みを先に入れておくと判断できます。
複数のチャネルに同じ文章を貼ってもよいですか
同じプラットフォームの中で同じ内容を繰り返すことは、RedditもXも公式に禁止しています。Xは、1つのアカウントでも複数のアカウントにまたがっても、重複または実質的に同じ内容を投稿しないよう定めています。別のプラットフォームに出す場合でも、読んでいる人が違うので、文章はその場所に合わせて書き直すことになります。
自分の記事に自分でブックマークや投票をしてもよいですか
はてなブックマークはセルフブックマークそのものを禁止していませんが、広告・宣伝・検索サイト最適化を目的としたブックマークはスパム行為として列挙されています。Product Huntは自分のプロダクトを自分で投稿することを公式に認めていますが、upvoteを人に依頼することや、投票に報酬を出すことは認めていません。人に頼む行為が線を越えます。
フォロワーが1人もいなくても出せる場所はありますか
X、Reddit、Qiita・Zenn、Product Huntは、アカウントを作ればリンク付きの投稿ができます。Instagramもプロフィールにウェブサイトを5つまで置けます。条件が付くのはTikTokのプロフィールリンク(フォロワー1,000人以上か認証済みビジネスアカウント)と、YouTubeの概要欄リンク(高度な機能の条件)やカード・終了画面(YPPへの参加)です。
5ch・なんJ系の掲示板に自分のサービスを書き込んでもよいですか
自作サイトの紹介を一律に禁じる全体規約は見当たりませんが、宣伝専用の板が別に用意されていて、一般の板では宣伝が歓迎されない作りになっています。規約に書かれていることと場の慣行にずれがあるので、書き込む前に個別ページで前提を確認してください。
このページの前後に読むページ
このページの手前にあたるのが個人開発の流れです。公開まで済んでいることが前提になります。 何を作るかがまだ決まっていない段階なら、何が作れるのかから読むと、 出す場所の候補も一緒に絞れます。作ったものの形によって、届けやすい場所が変わるためです。
このページの後ろにあたるのが収益化です。 どの収益化の方法も、サイトやアプリに人が来ていることが前提なので、 集客を先に一度通してから読むと、選べる手段がはっきりします。
出典
- Redditのルールとスパムの扱い: Reddit Help「What are Reddit's rules?」 / 「Reddiquette」 / 「What constitutes spam?」
- Product Huntの投稿・再投稿・コミュニティガイドライン: Product Hunt Help「Can I post my own product?」 / 「Can I relaunch my product?」 / 「Community Guidelines」
- Xのスパム・自動化・利用上限: X ヘルプ「Authenticity」 / 「Automation rules」 / 「X limits」
- TikTokのプロフィールリンクと開示: TikTok サポート / 「Branded Content Policy」
- Instagramのプロフィールリンクとブランドコンテンツ: Instagram ヘルプセンター / 「ブランドコンテンツポリシー」
- YouTubeの外部リンクとYPP: YouTube ヘルプ「高度な機能」 / 「動画やチャンネルからのリンク」 / 「YouTubeパートナープログラムの参加資格」
- Qiitaの規約とガイドライン: Qiita「利用規約」 / 「コミュニティガイドライン」
- Zennの規約改定: Zenn Info「利用規約の改定について」 / 「コミュニティガイドライン」
- はてなブックマークのスパム行為: はてなブックマーク開発ブログ「スパム行為について」
2026年8月時点の情報です。各社の規約は変わることがあるので、出す前に公式の記載を確認してください。