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概要

個人開発とは?ひとりで作れるようになるまでの歴史

ひとりでWebサービスを作ることを、個人開発と呼びます。 昔はサーバーの用意から機能の実装まで全部を自分で抱える必要がありましたが、 いまは足りない部分を借りてきて組み合わせる作り方が中心になりました。 このページでは、その移り変わりを3つの時期に分けて整理します。

このページの結論

個人開発でやることは「作る」から「選んで組み合わせる」に移りました。 サーバーも、ログインの仕組みも、メールの送信も、すでにあるサービスを借りられます。 さらにコードを書く部分をAIが担うようになり、仕事として開発をしていない人にも手が届く範囲になりました。 費用の目安は、サーバー代が月に千円前後、ドメイン代が年に千円から二千円ほどです(本文で詳しく扱います)。

個人開発とは

個人開発は、会社の仕事としてではなく、個人でWebサービスやアプリを作って公開することを指します。 企画を考え、画面を作り、動く仕組みを用意し、公開して、使ってもらうところまでを、 基本的にひとりで担当します。

趣味として作る人もいれば、収入を得ることを目指す人もいて、目的はさまざまです。 共通しているのは、決める人と作る人が同じという点です。

ハル
ハル 聞く人 ひとりで全部って、そんなに手が回るものなんですか? 本業のあとの時間しか使えないので、デザインもサーバーも、となると気が遠くなります。
ヤドカリ先生
ヤドカリ先生 答える人 全部を自分で作る必要はもうありません。ここが昔と大きく変わったところです。 料理でたとえると、以前は小麦を育てるところから始めていたのが、 いまは材料を買ってきて調理する形になりました。
ハル
ハル 聞く人 材料を買ってくる、ですか。何が売られているんですか?
ヤドカリ先生
ヤドカリ先生 答える人 サーバー、ログインの仕組み、メールの送信、データの保存場所。このあたりは借りられます。 このサイトで紹介しているのは、その材料にあたるサービスです。

ひとりで作れるようになるまで

個人が自分のサイトやサービスを持つこと自体は、新しい話ではありません。 変わったのは「どこまで自分で用意するか」の範囲です。

個人が作る環境の移り変わり
  1. 1990年代後半〜2000年代前半

    個人サイトの時代

    ページの中身を1文字ずつ自分の手で書き、専用のソフトでサーバーに送って公開するのが一般的でした。掲示板のような動く仕組みは、対応したサーバーを選んで自分で設置していました。

  2. 2006年

    クラウドの登場

    Amazonが、サーバーや保存場所を必要な分だけ借りられるサービス(現在のAWS)を公開しました。サーバーを買って置くのではなく、借りて使う形が現れます。

  3. 2010年代

    機能そのものを借りる

    ログイン・決済・データベースといった機能が、それぞれ専門のサービスとして提供されるようになりました。1から作らず、組み合わせて済ませる作り方が広まります。

  4. 2022年以降

    生成AIが開発に入ってくる

    対話しながらコードを書いてもらう使い方が広がりました。手が止まる原因が「書き方が分からない」から「何を作るか決められない」に移っていきます。

  5. 2025年2月

    「バイブコーディング」という言葉

    AI研究者のAndrej Karpathy氏が、AIに任せて作る進め方を指す言葉としてこの語を投稿し、広く使われるようになりました。

第1幕 全部自分で用意していた頃

2000年代前半までの個人サイトは、ページの中身を指定する言語(HTML)を直接書き、 専用のソフト(FTP)でファイルをサーバーへ送る、という手順で公開されていました。 掲示板やアクセスカウンターのような動きのあるものを置きたければ、 動く仕組みを実行できるサーバー(CGIに対応したサーバー)を選び、配布されているプログラムを自分で設置する必要がありました。

サーバーそのものも、自宅に機械を置くか、レンタルサーバーを借りるかの二択でした。 どちらにしても、動かし続ける責任は自分側にあります。

当時の作り方
  1. 01 自分で書く HTMLを手打ち
  2. 02 自分で置く FTPで転送
  3. 03 自分で動かす 自宅サーバーかレンタル

どの工程にも自分が立っていて、代わりを頼める先がありませんでした。

第2幕 借りて組み合わせる時代

流れが変わったのは、借りられる対象が「機械」から「機能」に広がったことです。 2006年にAmazonがクラウドのサービスを公開し、サーバーは買うものから借りるものになりました。 その後、ログイン・決済・データの保存・メールの送信といった部分が、 それぞれ専門のサービスとして提供されるようになります。

個人開発でやることは、ここで大きく変わりました。 ログインの仕組みを1から作る代わりに、用意されているものを借りて繋ぐ。 自分で作るのは、そのサービスにしかない部分だけ、という形です。

いまの作り方
  1. 01 自分 何を作るか決める
  2. 02 借りる サーバー・DB・メールなど
  3. 03 繋ぐ 組み合わせて動かす

工程が減ったのではなく、自分でやる範囲が「決めること」と「繋ぐこと」に寄りました。

このサイトで紹介しているサービスは、この「借りる」にあたる部分です。 どれか1つを覚えれば足りるというものではなく、役割ごとに別のサービスを組み合わせます。

第3幕 AIが書く時代

組み合わせる作り方になっても、繋ぐためのコードは自分で書く必要がありました。 そこに入ってきたのが生成AIです。

2025年2月、AI研究者のAndrej Karpathy氏が、AIに任せてコードを書いてもらう進め方を指して 「バイブコーディング」という言葉を投稿し、この呼び方が広まりました。 自然な言葉で指示を出し、返ってきたものを動かして、直してもらう。この繰り返しで作る形です。

開発者が集まる質問サイトのStack Overflowが、2025年に調査を行いました(177か国・約4万9千人が回答)。 回答者の84%が、開発でAIツールを使っているか、使う予定があると答えています。 仕事として開発している人のうち51%は毎日使っている、という結果でした。

ハル
ハル 聞く人 コードを書けなくても作れる、ということですか?それなら私にもできそうな気がしてきました。
ヤドカリ先生
ヤドカリ先生 答える人 書き方を覚えるところで止まっていた人が、先に進めるようにはなりました。 私自身、このサイトもAIにコードを書いてもらいながら作っています。
ハル
ハル 聞く人 じゃあ、もう何も勉強しなくていいんですね。
ヤドカリ先生
ヤドカリ先生 答える人 そこは正直に言っておきたいところで、なくならなかった仕事もあります。 同じ調査で、AIが書いたコードの不具合を直すのに時間がかかる、と答えた人が45%いました。 出てきたものが正しいかを判断する部分は、まだこちら側に残っています。

今から始めるとどうなるか

2000年代の個人サイトと、いまの個人開発で、何が入れ替わったのかを並べます。

2000年代の個人サイトと、いまの個人開発
2000年代 いま
サーバー 自宅に置くか、借りて自分で管理 借りる。使った分だけ支払う契約もある
機能の用意 配布されているものを探して設置 専門のサービスを借りて繋ぐ
コードを書く人 自分 自分とAI
初期費用 機械を買う場合はまとまった額 初期費用はほぼなし。月に千円ほどの支払いから
止まりやすいところ 書き方が分からない 何を作るか決められない

費用の面では、サーバー代が月に千円前後、ドメイン代が年に千円から二千円ほど。 紹介しているサービスの組み合わせ方によりますが、始めるだけなら数千円の範囲に収まります (2026年8月時点の目安です)。

趣味として作る人が増えているのは、この費用と手間の下がり方が理由の1つだと考えています。 作ったものが自分しか使わないものであっても、動くところまで持っていける範囲になりました。

変わっていないこと

手が届きやすくなった一方で、残っている部分もあります。

  • 出てきたものが正しいかを判断するのは、引き続き自分の役目です。 先ほどの調査でも、AIツールの正確さを信頼していないと答えた人(46%)が、信頼していると答えた人(33%)を上回っていました。
  • 借りているサービスは、値上げや仕様変更が起こります。 1つの事業者にまとめず、役割ごとに分けておくと、変更があった部分だけ差し替えられます。
  • 作ったあとに使ってもらう部分は、AIが代わりにやってくれるわけではありません。 公開してからが長い、という点は昔と変わっていません。

このサイトでは、ここで書いた「借りる」にあたるサービスを、1つずつ解説しています。

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出典

このページの年・数字は、以下をもとにしています(いずれも2026年8月に確認)。 調査結果は実施時点のものなので、最新の状況は各出典をご確認ください。

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