開発の流れ
iOSアプリを作って公開するまでの流れ|機材・年会費・審査の順番
このページの結論
iOSアプリは、手元にMacがあることが出発点になります。Apple Developer Programの年会費99米ドルは、アプリが完成する前に払うことになり、しかも毎年かかります。書き終えても自分の判断では公開できず、Appleの審査を通ってから店頭に並びます。
Web系と違うのは、登録と審査が挟まること
Webページやウェブサービスは、ファイルを置いた時点で公開されます。 出すかどうかを決めるのは自分です。iOSアプリでは、この「作る」と「出す」の間に、 開発者としての登録と、Appleの審査という2つの工程が入ります。
順番が大事なのは、この2つが後ろにあるからです。書き終えた日が公開日にはならず、 登録の手続きと審査の待ち時間が、そのまま後ろにくっつきます。 工程の全体を先に見ておくと、どこで時間とお金が出ていくのかが読めます。
- 01 何を作るか決める 画面の数と使う機能
- 02 Macを用意する 最初の分かれ道
- 03 手元で動かす 自分の端末で確かめる
- 04 開発者登録をする 年99米ドル。完成前に払う
- 05 審査に出す 提出の90%が24時間以内
- 06 公開して直す 修正版も審査を通る
お金が出ていくのは「開発者登録をする」の工程で、まだアプリは完成していません。「審査に出す」から先は、公開の可否を決めるのが自分ではなくなります。
最初の関門は、Macがあるかどうか
iOSアプリを組み立ててiPhoneに入れ、App Storeへ提出する作業は、Apple製のパソコンで行います。 ここが、手持ちの機材だけで決まってしまう分かれ道です。 手元にWindowsのパソコンしかない場合、この工程の手前で止まります。
止まったときに取れる道は2つあります。Macを用意してから続けるか、 作るものをブラウザで動く形に変えるかです。どちらを選ぶかは、 そのアプリがiPhoneのどの機能を使うのかで決まります。カメラや通知のように 端末側の仕組みを使うのであれば前者、画面と保存があれば足りるなら後者でも成り立ちます。
手元に何を用意するのかは開発環境のページで扱っています。 先に機材の話を片づけてから戻ってくると、この先の工程が読みやすくなります。
公開までの工程
何を作るかと、どこまで作るかを決める
画面が何枚になるか、iPhoneのどの機能を使うかを先に決めます。ここで決めた範囲が、あとの工程でそのまま提出時の説明とスクリーンショットになります。
迷いやすいところ: 使う機能を増やすほど、審査で説明を求められる項目が増えます。最初の1本は、画面が2枚か3枚で終わる範囲に切っておくと、公開まで到達しやすくなります。
Macを用意する
App Storeへ提出する作業に使います。手元にない場合、この工程が費用と時間の両方で最も大きな判断になります。
迷いやすいところ: 買うかどうかを、アプリを作り切れるか分からない段階で決めることになります。判断を先送りしたい場合は、いったんブラウザで動く形で1本出し、続けられそうだと分かってから機材を足す順番も取れます。
手元で動かす
自分のiPhoneに入れて、思ったとおりに動くかを確かめます。この工程まではApp Storeも審査も関係ありません。
迷いやすいところ: 開発者登録をせずにどこまで手元で試せるかは、条件が決まっています。年会費を払う時期を後ろにずらしたい場合は、Appleの開発者向けの案内で先に確認してください。
Apple Developer Programに登録する
年会費は99米ドルです。登録には本人確認の手続きが含まれます。提出の前には、この登録が済んでいる必要があります。
迷いやすいところ: 申し込みの画面で入力する名前が、App Store上の表示に関わります。何が公開されるかは、申し込む前に確認しておく方が、あとで直すより手数が少なくて済みます。
提出に必要なものをそろえる
アプリ本体のほかに、説明文、スクリーンショット、価格の設定、プライバシーに関する申告など、提出の画面で求められる情報を用意します。
迷いやすいところ: ここが未着手だと、アプリが完成していても提出できません。審査の待ち時間の前に足踏みする工程なので、作っている途中から少しずつ書きためておきます。
審査に出す
提出すると、Appleが内容を確認します。Appleは「平均して提出の90%が24時間以内に審査される」としています。
迷いやすいところ: 指摘が返ってくることを前提に予定を組みます。公開日を先に約束してしまうと、1回の差し戻しで守れなくなります。
公開して、直す
審査を通ると、App Storeに並びます。不具合を直した版も、同じように審査を通してから反映されます。
迷いやすいところ: Webのように直して置き直せば反映される形ではありません。急ぎで直したい不具合があっても、審査の時間が挟まります。この差が、Web系から来た人がいちばん驚くところです。
お金が出ていくのはいつか
副業として始める場合、支払いの時期は工程そのものと同じくらい重要です。 iOSアプリでは、年会費を払うのがアプリの完成より前になります。 提出には登録が要るので、順番を入れ替えられません。
しかも年会費なので、続けている限り毎年かかります。収入が出ない年も出ていきます。 更新しなかった場合に公開中のアプリがどう扱われるかは、 Apple Developer Programの案内で確認してください。 支払いは米ドルで示されているため、円でいくらになるかは支払い時のレートによります。
公開したあとに入ってくる側、つまりストアに引かれる割合や収益化の形は、 アプリで収入を得るのページにまとめています。 このページでは工程だけを扱います。
審査に落ちたらどうなるか
落ちても、そこで終わりではありません。何が問題だったかがAppleから通知され、 直して出し直せます。回数の上限がある形ではないので、 「一度落ちたら公開できない」という心配は要りません。
予定に効いてくるのは、往復の回数です。Appleは提出の90%が24時間以内に審査されるとしているので、 1回あたりの待ち時間そのものは長くありません。ただ、指摘を読んで直す時間が自分の側に発生します。 平日の夜だけを開発に使っている場合、この直しに数日かかることの方が多くなります。
往復を減らす手は、提出の前にAppleの審査ガイドラインを一度通して読むことです。 どこを見られるかが分かっていると、書き直す範囲が狭くなります。
登録の前に、何が公開されるかを見ておく
会社に勤めながら出す場合に気になるのが、App Storeのページに何が表示されるかです。 Appleでは、個人(Individual)として登録すると、App Store上のデベロッパー名に 本名がそのまま出る扱いになっています。 屋号 で出したい場合は、 組織(Organization)としての登録に切り替える手続きが別に要ります。
ここは条件も表示のされ方も更新されていく部分です。 登録を申し込む前に、Appleの開発者向けヘルプで、公開される情報を確認してください。 申し込んだあとに区分を変えるのは、最初から選ぶより手数が増えます。
住所を出したくない場合の選択肢はバーチャルオフィスのページに、 自分が売り手として表示される立場かどうかは 特定商取引法の表示のページにまとめています。
次に読むページ
- 開発の流れ 形ごとの工程の入口。他の形と見比べる
- Androidアプリの流れ Macが要らない代わりに、公開前のテストの条件が挟まる形
- Windows・Macのアプリの流れ 審査を待たずに配れる形。判断が要るのは署名のところ
- 開発環境 手元に何を用意するのか。Macが要るかどうかの話
- アプリで収入を得る ストアの手数料と、収益化の3つの形
- Google AdMob アプリに広告を出す仕組み
よくある質問
Macを持っていない場合、iPhoneアプリは作れませんか?
App Storeへ提出する作業にMacが要ります。買うかどうかを、作り切れるか分からない段階で決めることになるため、いったんブラウザで動く形で1本出してから機材を足す、という順番も取れます。
年会費は、アプリが完成してから払えばいいですか?
提出の前には登録が済んでいる必要があります。開発者登録をせずにどこまで手元で試せるかには条件があるので、支払いの時期を後ろにずらしたい場合はAppleの開発者向けの案内で確認してください。
審査に落ちたらどうなりますか?
何が問題だったかが通知され、直して出し直せます。回数の上限がある形ではありません。Appleは提出の90%が24時間以内に審査されるとしているため、待ち時間そのものより、指摘を直す時間の方が長くかかりがちです。
個人で登録すると、本名がApp Storeに出ますか?
個人として登録すると、App Store上のデベロッパー名に本名が出る扱いになっています。屋号で出したい場合は、組織としての登録に切り替える手続きが要ります。登録を申し込む前に、Appleの開発者向けヘルプで公開される情報を確認してください。
公開したあと、直すたびに審査が要りますか?
更新版も審査を通ってから反映されます。Webのように直して置き直せばその場で反映される形ではないため、修正の予定は審査の時間を含めて考えることになります。
出典
- Apple Developer Programの年会費と含まれるもの: Apple「Apple Developer Program に含まれるもの」
- 審査にかかる時間: Apple「App Review」
2026年8月時点の情報です。登録料は米ドル建てで示されているため、円での請求額は為替によって変わります。