開発の流れ
Windows・Macのアプリを作って配るまでの流れ|審査がない代わりに署名の判断が要る
このページの結論
デスクトップアプリは、自分のサイトやGitHubに置けば、自分の判断だけで配れます。工程のなかで判断が集まるのは「配る形を決める」の1点で、署名を付けるかどうかがここに入ります。署名のないファイルは、WindowsでもMacでも開く前に警告が出るため、知らない人に使ってもらう場合はそこで足が止まります。
この形は、審査を待たずに出せる
iOSアプリやAndroidアプリでは、書き終えたあとに開発者登録と審査が挟まります。 パソコン向けのアプリは、ストアを通さないという選び方ができるため、 そこを丸ごと飛ばせます。作ったファイルを自分のサイトやGitHubに置けば、それで配れます。
3つの形のなかで、これだけが「今日出す」を自分で決められます。 工程も短く、決めることも少なくなります。そのぶん、判断が1か所に集まります。 どう配るかです。
- 01 何を作るか決める 誰に何を配るか
- 02 手元で動かす 自分のパソコンで確かめる
- 03 配る形を決める ここだけが判断の要る工程
- 04 配る 自分のサイトやGitHub
- 05 直して出し直す 審査を待たずに差し替えられる
「配る形を決める」でストアを選んだ場合だけ、この先に開発者登録と審査が加わります。ストアを通さない場合、工程はこの5つで終わります。
配り方は、大きく2つに分かれる
配る形の選択肢は、自分で配るか、ストアに出すかの2つです。 自分で配る場合はさらに、署名を付けるかどうかの判断が入ります。 どちらを選ぶ場合も、書いたコードを、受け取った人がそのまま実行できるファイルに変換する ビルド という工程を通ります。まず、大きい方の2つを並べます。
| 自分で配る | ストアに出す | |
|---|---|---|
| 公開の可否を決める人 | 自分 | ストアの審査 |
| 出すまでの手続き | なし。置けばその時点で配れる | 開発者登録と審査 |
| 費用 | 置き場所の分だけ。署名を付ける場合は別にかかる | 登録料がかかる |
| 直したいとき | ファイルを差し替えればその場で反映される | 更新のたびに審査を通す |
| 見つけてもらう経路 | 自分で知らせる必要がある | ストアの検索から見つかる |
| 受け取った人の側で起きること | 署名がないと、開く前に警告が出る | 警告は出ない |
「自分で配る」の側を選ぶと、工程が短くなる代わりに、 見つけてもらう仕事が自分に戻ってきます。「ストアに出す」の側を選ぶと、 iOSやAndroidと同じように登録と審査が挟まります。 最初の1本で、公開まで通す経験を作りたいのであれば、自分で配る形から入る道があります。
署名がないと、開く前に警告が出る
自分で配ると決めた場合に、その先で効いてくるのが署名です。 ここは知らずに進むと、配ったあとで気づくことになります。
WindowsもMacも、作者を確かめられないファイルに対しては、 実行の前に警告を出す仕組みを持っています。 受け取った人の画面には、このファイルは安全でないかもしれない、という趣旨の表示が出ます。 そこを乗り越えて開いてもらうには、その人が自分で操作を追加する必要があります。
無料で配っていても、ここで手が止まります。作った本人を知らない相手ほど止まります。 公開したのに使われない、という結果になったとき、 原因が中身ではなく警告だった、ということが起こりえます。
署名を付けるには費用がかかります。金額と手続きは、WindowsとMacで別です。 配布を決める前に、それぞれの開発者向けの案内で、署名の方法と費用を確認してください。 Macで配るファイルに署名を付ける場合は、Apple Developer Programへの登録が関わってきます。 こちらは年99米ドルの年会費です。
署名を付けないという選び方もあります。身近な人や、事情を説明できる相手に配る段階なら、 警告が出ることを先に伝えておけば進められます。 判断の分かれ目は、費用を出すかどうかではなく、誰に配るかです。
配るまでの工程
何を作るかと、誰に配るかを決める
この形では、作る内容と同時に配る相手を決めておくと、あとの判断が速くなります。身近な人に使ってもらうのか、知らない人にも届けたいのかで、署名の判断が変わるためです。
迷いやすいところ: 配る相手を決めずに進めると、署名の判断が最後まで残ります。手元で完成してから迷い始めると、そこで数日止まります。
手元で動かす
自分のパソコンで動かして確かめます。ここまでは、登録も費用も関係ありません。
迷いやすいところ: 自分の環境では動くのに、他の人のパソコンでは動かないことがあります。可能なら、自分以外のパソコンで1台でも試しておくと、配ったあとの問い合わせが減ります。
配る形のファイルを作る
書いたコードを、受け取った人がそのまま実行できるファイルに変換します。この工程をビルドと呼びます。WindowsとMacでは、それぞれ別のファイルになります。
迷いやすいところ: WindowsとMacの両方に配るなら、それぞれの形式で用意することになります。片方から始めて、反応を見てからもう片方を足す順番も取れます。
署名を付けるかどうかを決める
署名を付けると、受け取った人の側で警告が出なくなります。付けない場合は警告が出たまま配ることになります。付ける場合は、WindowsとMacそれぞれで手続きと費用が発生します。
迷いやすいところ: この工程が、この形で唯一お金の判断が入るところです。金額と手続きは変わるため、決める前に、それぞれの開発者向けの案内で確認してください。
置き場所を決めて配る
自分のサイトに置くか、GitHubのリポジトリに置くかを決めて、ファイルを公開します。ここで配布は完了です。審査を待つ工程はありません。
迷いやすいところ: 置いただけでは誰も気づきません。この形は、ストアの検索から見つかる経路がないため、知らせる手段を自分で用意することになります。
直して出し直す
不具合が見つかったら、直したファイルを同じ場所に置き直します。反映を待つ時間はありません。
迷いやすいところ: 古い版を使っている人に、新しい版が出たことをどう知らせるかを考えておきます。ストアと違って、自動で更新される仕組みが最初から用意されているわけではありません。
お金が出ていくのはいつか
この形の特徴は、支払いの時期を自分で決められることです。 iOSは提出の前に年会費を払う必要があり、Androidもテストを始める前に登録料が要ります。 順番を入れ替えられません。パソコン向けのアプリでは、 署名を付けると決めるまで、費用は発生しません。
つまり、作って、配って、使われるかどうかを見てから、費用を出すかどうかを決められます。 置き場所については、GitHubのように 無料枠 で足りる選択肢があります。
ストアに出すと決めた場合は、他の形と同じで、登録料が先に来ます。 どのストアに出すかによって条件が変わるので、決めてから調べる形になります。
どこに置いて配るか
自分で配ると決めた場合、置き場所は主に2つです。
- 自分のサイト — 使い方の説明や画面の例と並べて置けます。 どういう道具なのかを伝えたうえで受け取ってもらえるので、 知らない人に届けたい場合はこちらが向きます。
- GitHubの リポジトリ — コードと配布ファイルを同じ場所に置けて、版の履歴も一緒に残ります。 仕組みはGitHubのページで説明しています。
両方に置く形も取れます。どちらに置いても、置いただけでは気づかれない点は同じです。 この形はストアの検索という経路を持たないので、知らせる手段を用意するところまでが工程に入ります。
この形の収益化
パソコン向けのアプリで収入になるのは、買い切りで売る形と、 使ってくれた人からの寄付を受け取る形が中心です。 アプリの中で広告を出す形は、スマホアプリほど一般的ではありません。
ストアに出す場合の手数料や、アプリ内課金の考え方は アプリで収入を得るのページにまとめています。 このページでは工程だけを扱います。
次に読むページ
- 開発の流れ 形ごとの工程の入口。他の形と見比べる
- iOSアプリの流れ Macと年会費と審査。3つの関門が順番に来る形
- Androidアプリの流れ 公開の前に、12人が14日間テストする条件が挟まる形
- GitHub コードと配布ファイルを置く場所としての使い方
- アプリで収入を得る ストアに出す場合の手数料と、収益化の形
- Google AdMob アプリに広告を出す仕組み(スマホアプリ向け)
よくある質問
署名を付けずに配ってもいいですか?
配れます。ただし、受け取った人のパソコンが開く前に警告を出すため、作った本人を知らない相手ほど、そこで手が止まります。身近な人に配る段階なら、警告が出ることを先に伝えておけば進められます。
署名にはいくらかかりますか?
WindowsとMacで仕組みが別で、費用も発行元や種類によって変わります。配布を決める前に、それぞれの開発者向けの案内で、署名の方法と費用を確認してください。Macで署名を付ける場合は、年99米ドルのApple Developer Programへの登録が関わってきます。
ストアに出すこともできますか?
できます。その場合は開発者登録と審査が挟まり、公開の可否を自分だけでは決められなくなります。代わりに、ストアの検索から見つけてもらう経路ができます。
自分のサイトとGitHub、どちらで配るのがいいですか?
自分のサイトは、使い方の説明と並べて置けます。GitHubのリポジトリは、コードと配布ファイルと版の履歴を同じ場所で扱えます。両方に置く形も取れます。
WindowsとMacの両方に配るには、どうしますか?
それぞれの形式でファイルを用意し、署名もそれぞれで判断します。片方から始めて、反応を見てからもう片方を足す順番も取れます。最初から両方をそろえる必要はありません。
出典
- Macで配るファイルに関わるApple Developer Programの年会費と内容: Apple「Apple Developer Program に含まれるもの」
- Mac App Storeに出す場合の審査: Apple「App Review」
2026年8月時点の情報です。年会費は米ドル建てで示されているため、円での請求額は為替によって変わります。 署名の費用は発行元や種類によって変わるため、このページでは金額を示していません。